ソニー,44色以上の蛍光検出可能な細胞分析装置発売

ソニーは,細胞分析装置(フローサイトメーター)の新商品として,44色以上の超多色細胞解析および高速ソーティングを,シンプルな操作で効率的に実現するスペクトル型セルソーター「FP7000」を2024年秋に発売する(ニュースリリース)。価格はオープン。

この製品は,同社独自のスペクトル解析技術により,波長の異なる6つのレーザー(320nm/349nm/405nm /488nm/561nm/637nm) と182個の蛍光検出器からの44色以上の蛍光,および自家蛍光を検出することができる。

同社のスペクトル型セルアナライザー「ID7000」と同等の光学性能を持ち,「ID7000」から新製品へ多色分析結果を転用することが可能。新製品は100nmほどの微小な粒子の検出もサポートするという。

また,シース加振技術により様々なタイプのノズルの堅牢な動作を実現し,12kHz〜100kHzの液滴形成周波数,70kPa〜600kPaの圧力範囲で安定した液滴を形成することにより,コレクションチューブやプレートへ特定の細胞を安定的に分取することができる。

さらに,独自のアンミキシングアルゴリズムにより,正確性の高い分析をリアルタイムに実現。重複する蛍光色素のスペクトル情報を各色素に分離することで,補正による分析結果のバラつきを排除し,高品質なデータを提供するとしている。

解析では細胞自体の発する微弱な蛍光情報の自家蛍光ファインダーにより,ユーザは複数の細胞集団から自家蛍光を識別して分離し,より正確なデータを得ることができ,不均一な細胞集団から微弱な蛍光シグナルの検出を可能にする。いずれのレーザーから検出された自家蛍光シグナルも,分取時のパラメーターとして使用できるという。

また,独自のCoreFinderアルゴリズムにより,レーザー光の光軸調整や,サンプルが各レーザースポットを通過するタイミングの算出,液滴のキャリブレーション,分取のための電気的タイミング調整,サイドストリーム調整といった主要な操作を自動化することで,専任のオペレーターでなくても作業を行なうことができる。調整に起因する結果のバラつきを排除し,様々な研究目的において効率的な運用が可能。

さらに,蛍光の波形形状情報などを簡単に登録・検索・選択し参照できるスペクトラルリファレンスライブラリーや自家蛍光分離など,ソフトウェアに組み込まれたガイダンスに従ってスムーズに実験のセットアップを行なうことができ,様々な習熟度の研究者による使用が可能だとしている。

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