santecグループは,各種光信号スペクトルに応じて最適なフィルタ帯域に動的に調整できるFlexible transmission rate「波長・帯域幅可変フィルタ (MTF-VB)」を開発した(ニュースリリース)。2023年10月より発売開始の予定。
データセンター間の光通信の増加,クラウドコンピューティングやIoT,5Gネットワークの拡大等を背景として,光通信ネットワークを流れるデータトラフィックは増え続ける一方,伝送距離やトラフィック需要に応じて光ファイバを流れる信号帯域も多様化している。
この製品は,光トランシーバの光増幅後の雑音光除去を行なうMEMS方式の小型光部品。以前の第1世代,第2世代波長可変フィルタの調整機能は光信号の透過波長のみだったが,今回同社が開発したこの製品は,独自の特許技術に基づき,約40nm範囲の透過波長調整に加え,200GHz~700GHzの透過帯域幅(3dB Band width)調整機能を有している。
この機能により,400Gb/sから1.2Tb/s (QPSK,16QAM,64QAM等)まで異なる光信号帯域に対し最適なフィルタ帯域でASE雑音を除去することを可能にする,同社初のFlex rate対応の小型コンポーネント製品だとする。
この製品はQSFP-DD,CFP2-DCOに代表されるSFF(Small Form Factor)の業界標準規格適合の光トランシーバに対応。絶えず小型化が求められる光トランシーバの需要に応え,超小型サイズ(9×5.5×3.5mm)を実現した。