古河電工,エネルギー効率に優れた外部光源を開発

古河電気工業は,ハイパースケールデータセンタやエッジデータセンタにおけるCPO(Co-Packaged Optics)を用いた次世代ネットワークスイッチ装置の実現にむけ,低消費電力の外部光源を開発した(ニュースリリース)。

ハイパースケールデータセンタおよびエッジデータセンタにおいては,使用されるネットワークスイッチ装置の大容量化と消費電力の削減が大きな課題となっており,次世代のネットワークスイッチ装置内の電気配線の一部を光に置き換えるCPOの導入が期待されている。

CPOでは高速に電気信号処理を行なうスイッチASICと,その周りにシリコンフォトニクスを用いた光トランシーバを同一基板に実装する。

シリコンフォトニクスは発光しないことから,外部に光源をおいて光を供給する形態が提案されている。また,環境温度が低い筐体のフロントパネルに外部光源を配置しているので,信頼性にも配慮した形態となっている。

外部光源は,プラグ着脱可能なハウジングの中に複数のレーザーを搭載している。この外部光源には,高い光出力と電力変換効率の最大化が期待されてきた。

今回,同社で開発したCPO用外部光源は,光トランシーバで一般的に用いられるQSFPハウジング,8チャンネルTOSAと制御回路で構成されている。

8チャンネルTOSAには,非冷却状態で高い光出力を得るために,自社製高出力DFBレーザーダイオードを内蔵し,さらに高い光結合効率を有する光学系を実現した。TOSAの放熱構造も最適化し,TOSAケース温度55℃,チャンネル当たりの光出力100mWの駆動条件において,レーザー駆動電流を300mA以下まで抑制した。

8チャンネルTOSAを駆動する駆動回路は,MCU,温度センサ,レーザー駆動回路で構成され,ホストからのコマンドに基づく制御を行なう。ハウジング温度55℃,チャンネル当たりの光出力100mWの駆動条件では,TOSAと制御回路をあわせた消費電力で5.6Wを達成した。

電力変換効率としては14.3%となり,業界最高レベルを達成したとする。同社では,CPOを用いたスイッチ装置の実用化に向けて,サンプル出荷を既に開始している。また,量産開始は,2025年度以降を予定しているという。

CPO用外部光源の主な製品仕様は以下の通り。

特性目標仕様
チャンネル数8
動作ケース温度0~55℃
波長オプション1:O-Band 1311 nm × 8
オプション2:4-λ CWDM x 2
光出力>100mW/channel
偏波消光比>20dB
消費電力(TOSA)4W
消費電力(TOSA&制御回路)6W

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