東芝欧州と東芝デジタルソリューションズは,量子技術の事業化を加速するため,英ケンブリッジのサイエンスパークに,「量子技術センター(Quantum Technology Centre)」を開所した(ニュースリリース)。
近年,量子技術への期待が増す中,量子技術によりさまざまなプラットフォームが産業の枠組みを超えてつながり,新たな社会価値を生む,QX(Quantum Transformation)への注目が高まっている。
量子暗号通信については,東芝の海外初の研究開発拠点である東芝欧州社・ケンブリッジ研究所にて,1999年に基礎研究を開始して以来,多くの世界初の技術を生み出すとともに,産業界への早期展開を目指し,関連業界とのパートナーシップを確立し,実証実験を行なってきた。
2021年4月には,東芝デジタルソリューションズにて実証事業を開始し,2022年4月には英国通信大手のBTグループとともにロンドンにて量子暗号通信の商用メトロネットワークのトライアルサービスを開始するなど,量子暗号通信の社会実装に向けた取り組みを国内外で加速させている。
今回開所した「Quantum Technology Centre」では,東芝デジタルソリューションズが商用化を進める量子セキュアネットワークの技術開発を進める。また,量子暗号通信の装置製造を行なうための製造設備を有し,技術開発から生産まで一貫した体制を整えるとしている。
さらに,チップベース量子暗号通信システムやツインフィールドQKDなど,量子を活用した先端技術の開発も支援するとともに,必要な人材投資を行なっていく予定だという。
東芝および東芝デジタルソリューションズは,量子技術の産業界への早期展開を目指し,量子技術の研究開発や実用化を加速するとともに,パートナーやユーザーとともに量子産業のエコシステムの構築に取り組んでいくとしている。