ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は,業界最多となる有効1,742万画素の車載カメラ用CMOSイメージセンサー「IMX735」を車載カメラ用に商品化すると発表した(ニュースリリース)。サンプル価格は30,000円(税込)。出荷時期は2023年9月予定。
この製品は,業界最多となる有効1,742万画素を実現したことにより,遠くの対象物でも高精細にとらえることができるという。
また,自動運転システムにおいては,車載カメラだけでなくLiDARなど他のセンシングデバイスと組み合わせて使用されることがあるが,通常のCMOSイメージセンサーは,画素から出力される信号を1行ずつ垂直方向に読み出すのに対し,この製品は1列ずつ水平方向に出力する方式を採用しているという。
これにより,この製品を搭載した車載カメラは,水平方向にレーザーを走査するメカニカルスキャン方式のLiDARと同期しやすく,自動運転システム全体として,検知・認識性能を向上させることが可能。
さらに,独自の画素構造と露光方法により飽和照度を改善したことで,HDR(ハイダイナミックレンジ)機能とLEDフリッカーの抑制機能の同時利用時においても,106dBの広いダイナミックレンジ,さらにダイナミックレンジ優先で設定した場合は130dBを実現した。
これにより,逆光などの条件下でも白飛びを抑制し,またトンネルの出入り口などの明暗差の大きい道路環境においても,対象物をより正確にとらえることができるとしている。