ソニー,バーチャルプロダクション用LEDパネル発売

ソニーは,自由なサイズと形状で大画面を構築できるLEDディスプレーの「Crystal LED」に,バーチャルプロダクションに最適化した「VERONA」(ベローナ)計4機種を2024年春に発売すると発表した(ニュースリリース)。価格はオープン。

バーチャルプロダクションとは,大画面LEDディスプレーに映し出した3D背景映像でスタジオ内に仮想空間を創り出し,その中で人物など実在の被写体の撮影と合成を同時に行なう映像制作技術。

開発したディープブラック&低反射コーティング技術は,深く引き締まった黒の表現と隣接するLEDディスプレーやスタジオ用照明機材からの外光によるコントラスト低下を大幅に低減する。

これらによりディスプレーに映し出される映像とディスプレーの前で演じる俳優や撮影セットとのコントラストの差異を軽減でき,仮想空間と現実が自然に融合した映像制作が可能なほか,撮影後の調整にかかる時間とコストも大幅に低減するとしている。

内側からのLED素子の光もその特性を損ねることなく透過することで,1,500cd/m2の高輝度を実現しているほか,デジタルシネマ向け規格DCI-P3を97%以上をカバーする広色域に対応している。

また,高性能ドライバーICの採用により,業界最高水準の7,680Hzのリフレッシュレートを実現。これにより,スキャンライン(水平方向の黒い線)を低減し,高品質なバーチャルプロダクションを撮影することができるという。

このシリーズは,多くのユーザーからの要望に応え,ディスプレーキャビネットの機構の工夫などにより映像制作の効率化に貢献する簡単,迅速,高精度な設置性能も実現している。

同社は,デジタルシネマカメラや大型LEDディスプレーなどのプロダクトや映像制作ワークフローの知見をいかしたソリューションである「Virtual Production Tool Set(バーチャルプロダクションツールセット)」を提供し,クリエイターの新しい映像表現と映像制作の効率化に貢献するとしている。

4つの製品の仕様は以下の通り。

型名ピッチサイズ
『ZRD-VP15EB』1.56mm
『ZRD-VP23EB』2.31mm
『ZRD-VP15EM』1.56mm
『ZRD-VP23EM』2.31mm

※いずれも外形は50cm×50cm(高さ7m=キャビネット0.5m×14台までスタッキング可能)
※EB=Brompton対応モデル EM=Megapixel対応モデル

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