パナソニック ホールディングスは7月31日,連結子会社のパナソニック液晶ディスプレイ(PLD)を解散し,特別清算開始の申立てを行なうとともに,同じく連結子会社のパナソニック出資管理合同会社(PEMJ)のPLDに対する債権を放棄すると発表した(ニュースリリース)。
パナソニックは,2008年8月にPLDの前身であるIPSアルファテクノロジを連結子会社とし,2010年より姫路工場においてテレビ用・ICT用液晶パネルの生産を開始,同年10月にPLDを設立している。
その後,激烈な価格競争を受けて車載・産業分野向けへと注力市場を転換したが,米中貿易摩擦等による市況悪化の影響が車載・産業分野にも波及し,事業継続は困難と判断,2019年11月に生産終了を決定,2023年3月末でPLDの事業活動を停止した。
2023年度に入り,PLDが所有する資産(兵庫県姫路市の工場等)の処分・移管が完了する見込みとなったことから,今回,PLDの解散及び特別清算開始の申立てを行なうとともに,PEMJのPLDに対する債権を放棄することにした。
この措置に伴うPEMJの貸付金の放棄額は5,800億円。これにより,2023年6月末の連結財務諸表において,PLDに対する投資に係る一時差異が予測可能な期間内に解消する可能性が高くなったことで,法人所得税費用の減少(繰延税金資産の計上等)を1,213億円認識したとしている。