京産大,多重折りたたみグラフェンの成果を発表

京都産業大学は,多重折りたたみグラフェンについての理論計算の研究成果を発表した(ニュースリリース)。

紙や布のような層状の物質は,あまり伸び縮みはしないが,やわらかいために折りたたむことができ,多種多様なかたちを作ることができる。

原子スケールの物質でも薄い膜状物質を作ることができれば,それを折りたたんだ構造体を作ることができ,折りたたむ前にはなかった性質を持たせることができる。今回の研究で着目したグラフェンは,原子1個分の厚みしか持たない究極の薄さの層状物質。

実験手法の進歩によって,ナノスケールのグラフェン1枚を狙った箇所で狙った方向へ折りたたむことが可能になってきたが,その原子構造の詳細についてはまだよく知られていなかった。

今回,平坦な基板上に載せられたグラフェンを多重に折りたたんだ場合にどういった形状のものが実現するのかという問いの下,ナノスケールの原子構造を理論計算の方法で明らかにした。

研究グループは,グラフェンを折りたたむことによって,様々な役立つ性質を引き出すことが期待されるとしている。

その他関連ニュース

  • 東北大,2次元半導体中での添加元素の影響を予測  2024年12月06日
  • 京大ら,高プロトン伝導性で化学的に安定なCOF形成 2024年08月19日
  • 名城大,単層CNTを液相法で安価に合成
    名城大,単層CNTを液相法で安価に合成 2024年08月02日
  • NTT,グラフェンプラズモン波束を発生/制御/計測 2024年07月26日
  • 東北大ら,表面処理で二次元半導体の電荷制御に成功 2024年07月11日
  • 理研ら,異次元ナノ半導体界面に潜む量子光源を発見 2024年04月12日
  • 理研ら,層状物質と微小光共振器で高効率に波長変換 2024年04月03日
  • NIMSら,層状化合物に未実証の電荷密度波分布発見 2024年02月27日