島津製作所は,米シリコンバレーのスタートアップ企業Shyld AIと6月19日に技術提携契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。
感染症対策としての除菌では,人が触れる物体をアルコールで拭くことが一般的。しかし手作業による除菌は「手間がかかる」「拭き残しが生じやすい」「拭き取りの際に感染リスクが生じる」といった課題があった。
製品化を目指す「UVシュート」は,人が立ち入った範囲における効率的な除菌を実現するシステム。「天井に設置するUV除菌ロボット」と「除菌ロボットを管理するソフトウェア」から構成されており,ロボットにはUV照射機構,AI機能付きカメラ,人感センサーなどを搭載する。
島津製作所の「UV照射用の光学系」「人感センサー」といった光学デバイスと,Shyld AIのAI技術を組み合わせることで,ユーザーがソフトウェア上であらかじめ設定したエリアに人が立ち入ると,AI機能付きカメラが画像を認識・判定し,汚染箇所を認定する。人の滞在時間や前回照射後の経過時間などを勘案した「汚染スコア」に基づき,UV照射の順番や時間を自動的に決定し,除菌を実施する。
この製品はロボットによる確実かつ感染リスクのない除菌を目指すもの。島津製作所は既にプロトタイプの開発を完了しており,現在,製薬や臨床,介護,食品・飲料やライフサイエンス研究の現場などを含む幅広い市場・用途での活用の可能性を調査しているとしている。