浜松ホトニクスは,LiDAR向けをはじめとする半導体レーザーの生産能力を増強し市場拡大に対応するため,都田製作所(静岡県浜松市)に新棟を建設する(ニュースリリース)。
現在,さまざまな場面で光を応用したセンシング技術が利用されている。中でも,半導体レーザーを用いた非接触,長距離,高精度で対象物の位置と形状が測定できるLiDARは,自動運転のみならず,公共交通インフラや自動搬送,自律走行ロボットなどの多くの製品に使われており,今後の大幅な市場拡大が期待されている。
同社は今回,都田製作所に新棟を建設し,事業所内に点在しているウエハプロセス以降の半導体レーザーの後工程を集約するとともに,製造エリアを拡張することで需要の拡大に対応する。
新棟では,製造工程間の作業動線を最適化するとともに,最新の製造装置や検査装置を導入し,工程の自動化や効率化を促進することで生産性向上を図る。なお,新棟は耐震構造を採用し災害対策を強化するとともに,断熱構造や太陽光発電設備,高効率機器などの環境対策を積極的に取り入れた設計としているという。
同社は,受光,発光の両素子を生産している世界でも数少ない企業であり,用途に応じた最適な素子を開発,製造し受発光素子をセットで提案できるという強みがある。今後もこの強みを生かし,LiDAR向けをはじめとする半導体レーザーの売り上げ拡大を目指すとしている。
新棟の概要は以下通り。
建築工期:2023年5月着工,2024年7月竣工予定
稼働予定:2024年10月
建築構造:鉄骨造,地上4階
建物面積:建築面積 1,780m2,延床面積 6,720m2
総工費:約40億円
生産能力:約2,500万個/年間(シングルチップ換算)