タナカ技研,ワイドバンド可視化カメラを開発

タナカ技研は,従来の波長ごとに必要であった光学システムを1つにまとめ,一軸で可視光線から遠赤外線まで集光する光学システムを搭載したワイドバンド可視化カメラ「TRINEAR」を開発,2023年4月19日より開催されるOPIE’23でそのコンセプトモデルとなるプロトタイプを展示する(会社HP)。

この製品は暗闇のカラスを見る方法を実現するために,可視光と熱源の同時透過に必要であった光学システムの新規開発を,長年素材メーカーの加工請負で蓄積された光学素材選定,コーティングのノウハウを生かし,構想から開発設計を様々な企業と連携し実現したという。

なお,「TRINEAR」の名称は3つの可能性が生む未来を狙い,3つの波長帯を重ねる特性を表すトリニティ,身近という意味のニア,目を表すアイ。3つの言葉の掛け合わせで生まれたとしている。

この製品はガラスを使っていない為,一つのレンズから3つの波長帯(可視光線,近赤外線,遠赤外線)を同時に写すことが可能だとし,それぞれの波長帯の映像を選択し,個別に出力することもできる。

特に可視光については,肉眼で見た映像との色の差がほとんど生じないとする。光学ガラスレンズの宿命ともいえる色収差をなくすことは大きな課題だったが,新しい光学システムを開発することでその課題を解決したという。

この要素技術の実装により,これまで別々のカメラを並べるか,切り替えで出画して見ていた画像を一軸で同時に見ることができるため,マルチスペクトルカメラとしても様々な用途に使うことが可能となる。

これにより,例えば保守点検業務の際に可視光と熱源を見る遠赤外線を一軸で同時に出画出来るので,ストレスのかかっている発熱部分を重ねてみることができ,保守点検ポイントの優先順位がわかりやすくなるとしている。

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