ARグラスを開発するCellidと東京大学は,ウェイブガイド(眼鏡型のARグラスで,小型のディスプレーに表示された画像を人間の目に導く透明の薄板)において,「ImageMaster Lab AR Flex」(独Trioptics製のウェイブガイドの評価措置)を用いた独自の評価手法の開発に成功した(ニュースリリース)。
これまで光学素子形状の異なるウェイブガイドは製造各社での異なる評価手法で性能評価が行なわれていた。評価結果に影響を与える要因として代表的なものではプロジェクタからウェイブガイドへの入射光角度,光学測定器の測定位置,測定角度などの要因があり,ウェイブガイド毎に最適な測定条件が異なるため,同一条件での比較評価が困難だった。
今回開発したウェイブガイド評価手法では,プロジェクタ及び光学測定器が多軸駆動の「ImageMaster Lab AR Flex」を用いた結果再現性の高い評価を行なう。これまでCellidはFOV60度の広視野角,高効率,高解像度ウェイブガイドの開発を行なってきた。東京大学はホログラフィーを用いた光学素子および光学システムの研究を行なってきました。
近年ウェイブガイドへの入力あるいは出力結合素子としてホログラムが用いられることが一般的となり,ウェイブガイド評価手法に関して,これまでの東京大学の知見を活用し検討を行なった。
具体的には,測定項目,測定方法の妥当性の検討を行ない,対象となるウェイブガイドの光学素子形状の情報から最適な入射光角度,光学測定器の測定位置,測定角度を求め,光学素子形状の異なるウェイブガイドの同一条件での比較評価を可能とした。
研究グループは今後,開発したウェイブガイド評価手法での評価結果を設計及び製造へ反映させ,更なるウェイブガイド性能の向上に取り組むとしている。