キヤノンは,前工程向け半導体露光装置の新製品として,50×50mmの広画角と0.5µmの高解像力を両立するi線ステッパー「FPA-5550iX」の販売を開始したと発表した(ニュースリリース)。
この製品は,従来機種「FPA-5510iX」(2015年9月発売)で採用されている投影レンズを継承したことで,0.5µm高解像力を実現。50×50mmの広画角での露光が可能なことにより,フルサイズCMOSセンサーや次世代XR用ディスプレーで求められる広画角を一括で高精細に露光することができる。さらに,装置に多数搭載されている投影レンズを,高品質で安定的に供給できる製造方法に刷新することで,旺盛な半導体製造装置需要に応えるという。
また,アライメントスコープに,直射光を測定する明視野検出機能に加えて,散乱光や回折光を測定する暗視野検出機能を新たに追加し,ユーザーのニーズに合わせて測定方法を選ぶことが可能。選択できる波長領域を拡大したことや,エリアセンサーを採用し多画素で測定できることで,低ノイズを実現し,低コントラストのアライメントマークでも測定可能だとする。
この製品はオプションで,シリコンを透過できる赤外線波長を選択でき,裏面照射型センサーの製造に求められるウエハー裏面のアライメント測定にも対応するなど,さまざまなアライメントマークの測定が可能となり,ユーザーの多種多様なプロセスへの対応力を強化するとしている。
さらにこの製品は,ソリューションプラットフォーム「Lithography Plus」(2022年9月発売)と連携することで,露光装置の状態を監視,分析し,露光装置の適切な品質管理や高稼働率を実現するという。