三菱電機は,次世代データセンター向け800Gb/s,1.6Tb/s光トランシーバーに搭載される光デバイスにおいて,従来の同社100Gb/s製品と比べて2倍の高速動作を実現した「200Gb/s(112Gbaud PAM4)EML(Electro-absorption Modulator integrated Laser diode:電界吸収型光変調器を集積した半導体レーザーダイオ-ド)チップ」を開発したと発表した(ニュースリリース)。
PAM4(4-level pulse-amplitude modulation)は4値パルス振幅変調のことで,従来の0と1から成る2値のビット列でなく,4値のパルス信号として伝送する方式。
近年,動画配信サービスの普及や情報のクラウド化によるデータ通信量の爆発的増加を背景に,データセンター内でデータ通信経路を切り替えるスイッチを構成する光トランシーバーには,従来の400Gb/sから,800Gb/sや1.6Tb/sへの高速大容量化が求められているという。
今回開発した「200Gb/s EMLチップ」は,高光出力に優れる埋込型レーザーと,高消光比・広帯域に優れるハイメサ型変調器を同一チップ上に集積した同社独自のハイブリッド導波路構造の採用により,200Gb/sの高速動作を実現している。
また,従来の同社100Gb/s製品と同様に,1271,1291,1311,1331nmのCWDM波長帯の4波長に対応。4つの光信号を1本の光ファイバーに合波することで,光ファイバー本数の削減が可能で,光トランシーバーにこのチップを4つ搭載することで800Gb/s,8つ搭載することで1.6Tb/sの光ファイバー通信が可能だとする。
同社はこの開発品について,2024年の発売,量産化を予定しているとし,また,波長数を8波長に増加するなど,通信方式の多様化に対応する製品開発を進めていくとしている。