SSSら,SWIRセンサーで大河内記念生産賞を受賞

ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)とソニーセミコンダクタマニュファクチャリングは,「Cu-Cu接続を用いたヘテロジニアス積層型高精細SWIRセンサの開発」で,大河内記念会から「第69回(令和4年度)大河内記念生産賞」を受賞したと発表した(ニュースリリース)。

同賞は,故大河内正敏博士の功績を記念して設けられ,わが国の生産工学,生産技術の研究開発,および高度生産方式の実施などに関する顕著な功績を表彰するもの。今回同社が受賞した「大河内記念生産賞」は,生産工学,高度生産方式などの研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の顕著な業績をあげた事業体に贈られる。

今回の受賞は,多画素化とセンサーサイズの小型化を両立した,可視光までも撮像できるSWIRイメージセンサーの量産化と実用化が高く評価されたもの。一般的に,短波長赤外光(SWIR:Short-Wavelength InfraRed)は物質に対する透過率や吸収率が可視光とは異なるため,その性質を使ってさまざまなシーンに活用されている。

今回受賞の対象となった同社の積層型SWIRイメージセンサーは,化合物半導体のInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)層でフォトダイオードを形成し,それを読み出し回路のシリコン層と,独自のCu-Cu(カッパーカッパー)接続と呼ばれる積層技術により直接接続している。

これにより,これまでのSWIRイメージセンサーでは難しかった画素の微細化による多画素化やセンサーサイズの小型化に加え,可視光から短波長赤外までの幅広い帯域での高感度な撮像を実現したという。さまざまな産業分野における検査・識別・計測など,多様なニーズに応じたカメラや検査機器の開発が可能になることから,同社では生産性の向上に貢献するとしている。

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