フジクラは,光部品の製造に使用される新型光ファイバリコータ「FSR115シリーズ」と新型大口径光ファイバカッタ「CT115シリーズ」を2023年1月から販売を開始する(ニュースリリース)。
光ファイバリコータは被覆が除去された光ファイバの融着接続部をUV硬化樹脂で再被覆する装置。リコート機能のみを有する「FSR115」,リコート機能に加え最大2.0kgfの引張試験機能を搭載した「FSR116」,リコート機能に加え最大10.0kgfの引張試験機能を搭載した「FSR117」の3機種で構成される。新型「FSR115」シリーズは,UV硬化樹脂の注入機構とガラスモールドの改良により,同社従来機に比べ約25%の作業時間短縮と,リコート長の精度向上の両立を実現したという。
大口径光ファイバカッタは,一般的な通信用光ファイバよりも太い径の光ファイバを切断する装置。クラッド径2660μmまでの光ファイバ切断が可能な「CT114」,クラッド径1,250μmまでの光ファイバ切断が可能な「CT115」,「CT115」に切断端面での反射を軽減する斜め切断機能を搭載した「CT116」の3機種で構成される。
大口径光ファイバの切断には,切断刃の押し込みで光ファイバが反ってしまうことを防止するバックストップと呼ばれる部品を精密にセットすることが重要。従来機ではこの位置決めを手作業で行なっていたが,新型「CT115」/「CT116」ではバックストップの精密自動位置決め機構を搭載し,切断品質が従来機よりも安定したとする。また,新型「CT115」シリーズは全機種に切断刃位置変更機構を搭載し,刃が摩耗する前に刃位置が自動で移動するという。
これらの製品群に付属する交換部品には,RFIDタグが搭載されている。例えば,リコータではガラスモールドにRFIDタグが装着され,ガラスモールドをリコータ本体に取り付けると,そのリコート径に応じた条件プログラムが自動で選択される。
新型大口径カッタでは,ファイバホルダにRFIDタグが搭載されている。大口径光ファイバを挟んだファイバホルダを大口径カッタ本体に取り付けると,クラッド径に応じた切断条件プログラムが自動で選択され,条件プログラムの選択ミスを防止する。
同社はこれらの製品が,作業者の熟練度への依存を低減し,作業現場の人手不足を解消するとともに,安定した光部品の品質維持にも繋がるとしている。