キヤノン,3次元半導体後工程向けi線露光装置発売

キヤノンは,半導体デバイス製造における後工程向けの半導体露光装置の新製品として,0.8μmの高解像力と繋ぎ露光による100×100mmの超広画角の露光を可能とすることで,3次元(3D)技術に寄与するi線ステッパー「FPA-5520iV LF2オプション」を2023年1月上旬に発売する(ニュースリリース)。

近年,さまざまな半導体デバイスの需要が高まっている。そのような中,微細化以外に高性能化を実現する技術の一つとして,パッケージの高密度配線化が提案されている。半導体デバイスのさらなる高性能化に対応できる先端パッケージングの需要が増加することで,今後も後工程における半導体露光装置の市場は拡大が予測されている。

特に後工程で行われるパッケージングでの高密度化を実現する先端パッケージングには微細な配線が必要で,近年では半導体露光装置が使用されるようになっており,複数の半導体チップを並べて密接に接続する2.5次元技術や,半導体チップを積層する3次元技術により,半導体デバイスの性能を向上したいというニーズがある。

新製品は,0.8μmの高解像力と露光ひずみの小さい4ショットの繋ぎ露光による100×100mmの超広画角の露光を可能とすることで,2.5次元と3次元技術を組み合わせた超大型・高密度配線パッケージの量産を実現するとする。

従来機種「FPA-5520iV LFオプション」(2021年4月発売)と比べ,歪曲収差を4分の1以下にまで改善した新投影光学系の搭載と,照度均一性を高めた照明光学系の採用により,52×68mmの広画角でありながら0.8μmの解像力と,繋ぎ露光による100×100mmの超広画角を実現するという。

パッケージング工程での量産課題である再構成基板の反った形状に対する柔軟な対応力とともに,チップ配列のばらつきが大きい再構成基板でもアライメントマークを検出し稼働率を向上させる高い生産性など,この製品は「FPA-5520iV」で実現した基本性能を継承するとしている。

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