2026年通信機器の国内市場,3兆3,292億円に

著者: sugi

富士キメラ総研は,国内の通信機器と通信サービス市場を総合的に調査,分析し,その結果を「2022 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,2021年度は,4Gおよび5G通信ネットワーク構築のための通信キャリアによる投資が本格化したが,半導体不足による通信機器生産体制の不備や「GIGAスクール構想」関連の特需が終了したことから市場は縮小したという。2022年度は移動体通信端末や固定電話端末の不振などにより,市場は前年度比4.7%減を見込む。

今後,IoT関連の需要増加によりネットワーク関連製品は伸びるとみるが,6割以上を占める移動体通信端末はコンシューマー向けの需要一巡や買い換えサイクルの長期化により苦戦するため,市場縮小を予想する。

ネットワーク関連製品は,半導体不足の影響や「GIGAスクール構想」関連特需が落ち着いたことから,需要が減少している品目がみられるが,テレワーク環境の整備や大容量通信、ネットワークの増強/増速需要は底堅く,ルーターやPONシステムなどが伸びており,市場は拡大しているとする。

今後,半導体不足の解消に伴う不安定な製品供給の改善により,新たな需要が喚起されることを期待している。特に,IoTへの投資が増加していることから,IoTゲートウェイの産業やコンシューマー向けでの導入促進が期待されるという。

移動体通信端末は,コンシューマー向け製品の需要が一巡しており,5G対応製品の発売やリプレース需要があるものの,今後も縮小が続くとみる。なお,一部法人向けでは,DXソリューションとの連携を目的とした導入が進むとみている。

移動体通信基地局関連機器は,2021年度は移動体通信キャリアが5G通信対応のため基地局製品の調達を進めたことや,SA方式対応でEPC/5GC(5G通信のコア装置)の調達を進めたことなどから,市場は拡大したという。また,ローカル5G/プライベートLTE基地局,ローカル5G/プライベートLTEコアは,製造業などのPoC案件の獲得などにより需要が増えたとする。

今後は移動体通信キャリアがモバイルネットワークへの設備投資を抑制する方向であるため移動体通信基地局の需要は縮小するとみている。一方,ローカル5G/プライベートLTE基地局などは,製造業やCATV事業者,プラントなどでの商用導入の増加,構内PHSシステムの代替需要獲得などで順調な伸びが期待されるという。

音声関連製品は,働き方の多様化に伴う新たなコミュニケーション環境構築ニーズの高まりに対応して,ソフトフォンや,IPネットワーク上の音声通信で異なる端末やサービス同士を相互接続するSBCなどが伸びるとみる。一方,呼制御装置や固定電話端末は設備/運用管理コストの削減によりクラウドPBXサービスやスマートフォンへの移行が進行するため縮小を予想する。

会議関連製品は,ビデオ会議システムはWeb会議サービスへの移行により低調な推移となる一方,会議用マイクスピーカーはオフィス回帰が進むことから堅調な需要が期待されるという。

通信サービスの国内市場は,テレワークの普及に伴い,インターネット接続サービスやWeb会議サービス,リモートアクセスサービスなどは伸びているが,使用料金の低廉化で移動体通信サービスが落ち込んでおり,市場は縮小しているとする。今後,規模の大きい移動体通信サービスの縮小,また,音声関連サービスの需要減少などにより,市場縮小が続くと予想する。

インターネット接続サービスは,テレワークや外出自粛に伴うWebコンテンツ利用に対応したFTTHサービス需要の獲得,また,ADSLサービスからFTTHサービスへの移行などにより伸びているという。今後も通信の安定性や高速性などを背景にFTTHサービスへの移行を想定する。また,マンション全戸一括向けのFTTHサービスの需要が増えているとし,堅調な伸びを予想する。

移動体通信サービスは,オンライン専用プランの開始やサブブランド展開の推進により低価格サービスが広がったことから,縮小が続いているという。今後,携帯電話サービスは,少子化などを背景に主軸の個人向けで新規ユーザーの獲得が鈍化するとみる。

MVNOサービスは,小容量の低廉なプランにより小幅ながら伸びるとみる。なお,携帯電話サービス,MVNOサービスともに車載やスマートメーター向けなどのIoT需要は堅調な増加が期待されるという。

固定データ通信サービスは,クラウドシフトやネットワーク再構築の需要が増えたことから,小幅ながら伸びているという。特に,インターネットVPNサービスやSD-WANサービスが好調だとする。また,各拠点から直接インターネットにアクセスするローカルブレイクアウトのニーズ増加に伴い,SD-WANサービスが大きく伸びると予想する。

音声関連サービスは,コミュニケーション手段の多様化に伴う通話機会の減少により,レガシー電話サービスは縮小が続くとみる。法人向けでは,移動体通信サービスとの連携をはじめとした勤務環境整備に向けて,クラウドPBXサービスやFMCサービスは堅調な伸びを予想している。

その他サービスは,テレワークを支える業務インフラとしてWeb会議サービスやビジネスチャットサービス,リモートアクセスサービスの需要が増えているという。また,企業ビジネスのデジタル化を支援するCPaaSの利用拡大,5Gインフラの整備を背景にインフラシェアリングサービスも急伸するとみている。

キーワード:

関連記事

  • KDDI総研と京大、千歳科技大 宇宙光通信に適した周波数変調型フォトニック結晶レーザーを開発

    京都大学、KDDI総合研究所、公立千歳科学技術大学は、宇宙光通信など長距離自由空間光通信(FSO)への応用を想定し、発振周波数を高効率かつ高速に変調できる「周波数変調型フォトニック結晶レーザー(PCSEL)」を開発した(…

    2025.11.27
  • 京セラ、水中光無線通信で世界最速レベルの伝送容量5.2Gb/sを達成

    京セラは、水中環境における短距離光無線通信において、世界最速レベルとなる5.2Gb/sの伝送を達成した(ニュースリリース)。 近年、AUV(自立型無人潜水機)や水中ドローンを活用した海洋調査、構造物点検、資源探査が急速に…

    2025.11.13
  • 車載ディスプレー市場、2025年の出荷量は2億602万枚と予測

    矢野経済研究所は、車載ディスプレー世界市場を調査し、タイプ別や部位別、インチ別の市場動向、メーカー動向、価格動向、将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。 それによると、2024年の車載ディスプレー世界出荷量(純正品…

    2025.11.12
  • 2025年第3四半期のシリコンウエハー出荷面積、3.1%増の33億1,300万平方インチ

    米SEMIは11月4日(米国時間)、2025年第3四半期(歴年)の世界シリコンウエハー出荷面積が前年同期の32億1,400万平方インチと比較して、3.1%増の33億1,300万平方インチになったことを発表した(ニュースリ…

    2025.11.10
  • トルンプ,グローバルでは減速も日本市場が堅調「半導体分野が牽引役に」

      トルンプは,2024–25年度業績や今後の事業戦略に関して発表した。世界全体の売上高は43億ユーロで前年度比16%減,受注高は7.2%減の42億ユーロになったという。 業績がマイナスになった要因について,同社日本法人…

    2025.10.31
  • 量子技術の市場規模,2050年には55兆円超と予測

    矢野経済研究所は,世界における量子技術市場を調査し,量子センシング,量子フォトニクス,量子暗号・通信,量子生命科学,量子物性・材料の5分野に関連した技術・サービスを対象に,量子技術市場の現状と今後の動向を明らかにした(ニ…

    2025.10.27
  • 300mmファブ装置の投資額,3年間で3,740億ドルに

    米SEMIは10月8日(米国時間),300mmファブ装置の世界投資額が,2026年から2028年の3年間で総額3,740億ドルに達するとの予測を発表した(ニュースリリース)。 それによると,300mmファブ装置の世界投資…

    2025.10.09
  • NTT,IOWN2.0は光コンピューティングへ

    NTTは10月6日,IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)技術についてメディアや投資家向けに説明する「PR/IR DAY」を開催した。 まず初めに「Toward the…

    2025.10.07

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア