沖電気工業(OKI)と古河電気工業は,ケーブルテレビ事業者や通信事業者向けにテレビ放送をオールIP方式で伝送するIP放送ソリューションの商用化に向け,技術提携に合意したと発表した(ニュースリリース)。
高画質なビデオコンテンツなどは,テレビ視聴の形態だけでなくIP方式での配信の普及により,タブレットやモバイル端末などの視聴が一般的になってきている。一方でケーブルテレビ事業者のテレビ放送は,RF信号を光信号に変換して光ファイバで伝送されているケースがほとんどで,インフラ設備も通信用と放送用が別々の光信号で伝送されている。
この場合,事業者のセンター局などに放送用の光伝送装置を設置し,通信用と放送用の光ファイバを二重に敷設する必要がある。さらに加入者宅に放送専用の光受信端末が必要となる。
そこでインフラの設備投資や維持コストを削減するため,RF方式の放送をIP方式で伝送することでインフラ設備をオールIP化することを実現する。また,これにより双方向性を活かした新たなサービスも提供できるようになる。
この技術提携により,ケーブルテレビ事業者への納入実績を持つ古河電工はPONシステムや開発中のIP-STBを,通信事業者等への納入実績を持つOKIはIP放送サーバ「OKI MediaServer」を提供することによってシステム連携が可能となるとする。
両社は,ケーブルテレビ事業者や通信事業者の設備投資を抑えながら,効率的で超高精細画質を含むIP放送システムを構築する。また,IP放送の受信に必要な各住戸用のIP-STBの提供も予定しているという。
両社は,2023年中のソリューション提供開始を目指し,商用化へのソリューション開発を開始する。また,ケーブルテレビ事業者や通信事業者で超高精細画質を含むテレビ放送をIP方式で伝送する実証実験などに参加する予定だとしている。