昭和電工と昭和電工マテリアルズ,統合して新会社へ

昭和電工と昭和電工マテリアルズは,2023年1月1日に統合し,両社は持ち株会社の「株式会社レゾナック・ホールディングス」と,事業会社の「株式会社レゾナック」に移行すると発表した(ニュースリリース)。

昭和電工は2020年に旧・日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)を買収し子会社としてから,両社統合の準備を進めてきた。22年1月には経営体制を一本化。今回の統合で,新会社の売上高は約1兆3,000億円(2021年決算ベース)となり,うち半導体・電子材料分野の売り上げが約4,000億円を占める。なかでも半導体の「後工程」分野において,グローバルトップ企業となる。

昭和電工は石油化学事業,黒鉛電極事業,機能性材料事業などで安定的に収益を上げる事業を有する一方,昭和電工マテリアルズは半導体材料事業や自動車材料事業など成長の期待される事業に強みを持つとする。両社の統合により,安定事業で得た収益を成長事業へ集中投資することが実現するとしている。

また,今回の統合は事業領域の拡張だけでなく,川中に位置する昭和電工と,市場に近い川下に位置する昭和電工マテリアルズの統合により,顧客に近い製品を扱う昭和電工マテリアルズが拾い上げた「市場の声」を,昭和電工の素材にまでさかのぼって開発につなげることができるようになる。さらに,昭和電工の強みとする計算科学を生かしたDXの推進,両社の特許をあわせることで拡充する知財戦略など,今後さらにシナジーを発揮できるとしている。

統合会社では,半導体・電子材料事業に特に注力する。2021年度の売上高3,918億円と大きな規模と高い収益性を持っており,事業規模でも他の半導体材料メーカーを大きく引き離している。高純度ガスやCMPスラリー,銅張積層板,感光性フィルムなど,半導体材料の多くで世界トップクラスのシェアを有している他,次世代パワー半導体用のSiCエピタキシャルウエハーも高い成長を続けているとする。

統合新会社は,売上高1兆円以上の規模を維持しつつ,EBITDAマージン20%以上を確保し,世界トップクラスの機能性化学メーカーとなることを目指すとしている。

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