科学情報分析支援を行なっているクラリベイトは,ノーベル賞クラスの研究成果を表彰する2022年の「クラリベイト引用栄誉賞」受賞者を発表した(ニュースリリース)。
受賞したのは4カ国から20名。このうち日本人としては医学・生理学分野より,東京都医学総合研究所の長谷川成人氏,物理学分野より物質・材料研究機構(NIMS)の谷口尚氏と渡邊賢司氏が受賞した。
物理学分野で受賞した谷口氏と渡邊氏は「六方晶窒化ホウ素結晶(hBN)の高純度化技術」の開発が評価され,2次元材料の電子的挙動に関する研究に革命をもたらしたとしている。この六方晶窒化ホウ素結晶は光デバイス応用への採用が期待されており,遠紫外線発光材料として注目もされている。
特筆すべきは高圧合成によって従来課題とされてきた高純度化を達成したこと。一方で,谷口氏は実用化に向けては結晶の「大型化」も重要としており,さらなる開発を目指すとしている。
クラリベイトが発表してきたこの賞では,2014年に青色LEDでノーベル物理学賞を受賞したカリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二氏も過去に受賞している。10月初旬より発表がスタートする2022年ノーベル賞への受賞にも期待が高まっている。