東芝,高速ラインのリアルタイム外観検査技術開発

東芝は,製品が高速に搬送される中,製品の表面のミクロンサイズの微小な欠陥(キズなど)を,広い撮像視野でリアルタイムに可視化・判別する光学検査技術「OneShotBRDF」を開発した(ニュースリリース)。

生産ラインでの外観検査の自動化では,カメラが頻繁に用いられる。カメラには,対象を「面」で捉える「エリアカメラ」と,「線」で捉える「ラインカメラ」があるが,「エリアカメラ」は製品が連続的に高速に流れるライン上での外観検査への適用が難しく,「ラインカメラ」は,微小な欠陥は明暗のコントラストがつきにくいため,撮像画像では鮮明化しにくいという課題がある。

同社は2019年に,カラーフィルターを用いて光の散乱角度を色で識別し,従来の画像検査では捉えられなかった微小な欠陥を瞬時に可視化する「エリアカメラ」向けのワンショット光学検査技術を開発した。しかし,生産現場で多く使用されている「ラインカメラ」に適用できる検査技術の開発が求められていた。

今回開発した技術は,搬送方向とそれに直交する幅方向で機能を分離した。搬送方向には,光の方向に応じて色を対応させる光方向識別機能を持たせ,幅方向には,全視野を取得する機能を持たせた。これにより,ラインカメラの全視野で欠陥を鮮明化できるようになった。

この機能を実現するために,搬送方向は平行光で,幅方向は拡散光となる独自の照明と,ラインカメラのレンズの前に設置したストライプ状の多波長開口で光学系を構成した。欠陥の無い平滑な被検物に照明を照射すると,光は搬送方向には平行を保ったまま正反射される。それらの光は,多波長開口の幅方向に一様な色の中心ラインを通過し,全て同じ色として撮像される。

一方,被検物に欠陥がある場合,照明光はさまざまな方向に散乱する。多波長開口は搬送方向には色が変化するフィルターとなっているため,それらの光は多波長開口の搬送方向へも広がり,光の方向に応じて異なる色となって撮像される。

つまり,欠陥は平滑な周囲とは異なる色となり,鮮明化される。また,照明は幅方向には拡散光となっているため,レンズの有効径に制限されることなく,広い視野で撮像できる。

このような反射光分布は,BRDFと呼ばれる分布関数によって示すことができる。従来,BRDFを取得するためには,様々な方向に受光器を細かく刻んで動かす必要があったが,この技術は,ラインカメラの全視野にわたって各画素でBRDF情報を色で取得できるため,ワンショットでBRDF情報を取得可能。

この技術の多波長開口は汎用性が高く,そのフィルター特性を変更することで,表面凹凸の3Dデータも取得可能。また,画像解析技術と組み合わせることで,微小欠陥の自動判別もできるといしている。

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