KDDIは,次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の開発を行なう京大スタートアップのエネコートテクノロジーズに出資したと発表した(ニュースリリース)。
カーボンニュートラル実現に向け,太陽光発電設備のさらなる導入が求められている。
一方,平地の少ない日本では,太陽光発電設備の適地不足が予想され,この解決策として,既存の技術では発電設備を設置できない場所にも導入できる次世代太陽電池の開発が期待されている。
ペロブスカイト太陽電池は「薄い」「軽い」「曲がる」といった性質と高い発電効率を両立し,建物の壁面や耐荷重の小さい屋根などへの適用が見込まれている。また,既存の太陽光発電では十分な発電効率が得られなかった,曇り空や室内光などの中・低照度領域においても高い発電効率を有している。面積・照度の2つの観点において,既存技術の設置制約の解消が期待されている。
同社はこの出資により,2022年度中にエネコートテクノロジーズと共同でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を行ない,将来的に携帯電話基地局へのペロブスカイト太陽電池の導入を目指す。
なお,この出資は脱炭素などの環境課題に取り組むベンチャー企業への出資を行なうKDDI Green Partners Fund(運営者: SBIインベストメント)を通じた初めての出資となるとしている。