OKIは,ソーラー発電駆動により外部電源が不要で,夜間など暗い低照度環境でも照明を用いず鮮明に撮影ができる「ゼロエナジー高感度カメラ」の販売を3月17日より開始した(ニュースリリース)。オープン価格(希望小売価格80万円)。
インフラ構造物の老朽化,集中豪雨などの自然災害の激甚化により,劣化が確認されたインフラ構造物の経過観察や,災害発生時の迅速な現場状況確認の重要性が増している。
その対策のひとつとして,遠隔から現場の状況を目視できるカメラシステムの導入が行なわれているが,カメラや照明に必要な電源の敷設,通信回線の配線などの工事が必要なほか,機器設置の手間と,運用を含めたコストが課題となっている。
この製品は,同社の「ゼロエナジーゲートウェイ」シリーズのラインアップの一つ。920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」と4Gによる無線通信機能に対応しており,電源や通信配線の敷設が不要で,監視したいさまざまな場所への低コストでの設置・運用が可能なカメラ。老朽化したインフラや災害の現場を昼夜問わず撮影可能で,その画像を遠隔地から確認することができる。
独自開発の高感度カメラモジュールは,周囲の明るさに応じてシャッタースピード等を調整することで,0.05 lx(月明り程度の明るさ)での撮影が可能。標準画質はVGA(640×480),最高画質はFull HD(1920×1080)となっている。カメラモジュールの省電力化により,同じイメージセンサーを使用した他社製品に対し,消費電力を1/3に抑えた。
さらに,小型のソーラー発電パネルは回路設計を見直し,従来は使用しなかった曇りの日など日照の条件が悪いときの弱い電力も昇圧することでバッテリーに充電できるようにしたことで,連続不日照9日間までの動作(30分に1度,VGA画質で撮影)を実現。災害発生時の現場などでも継続利用できるという。
また,機器に耐環境性を付与する「ラギダイズ技術」により,ガラス製カバーは,親水性と帯電防止加工によるセルフクリーニングにより,防水・防塵を実現したほか,塩害,積雪,湿度に強く,画質劣化の防止と高い信頼性を兼ね備えるとする。
「ゼロエナジーゲートウェイ」シリーズの水位計による河川水位計測,無線加速度センサーユニットによる構造物の加速度・傾き・固有振動数の計測などと連携することも可能で,インフラ維持管理における巡視業務の効率化を実現するという。
さらに,同社のインフラモニタリングサービス「monifi」と連携させることで,センサーとカメラを組み合わせた広範囲のモニタリングシステムをクラウドサービス上に構築することも可能だとしている。