シャープは,株式の売却により現在一部の株式保有となっている,同社元子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP)について,同社子会社として復帰させることを目的として,SDPの株主であるサモアWorld Praise Limitedからその株式の取得について協議する(ニュースリリース)。
シャープは,2009年のSDP稼働開始時より,テレビ事業および業務用ディスプレー事業において,主力となる大型サイズの液晶パネルをSDPから調達してきた。そうした中,同社事業に以下のようなメリットをもたらすとの考えから,SDPの子会社化(復帰)を目指すことにしたという。
①同社がテレビ事業及び業務用ディスプレー事業において,グローバル事業拡大に取り組む上で,コスト構造上大きな割合を占める高品位パネルの安定的且つ優位性のある調達が極めて重要であること。
②足元のニューノーマルやデジタルトランスフォーメーション,さらには自動車やメタバース等,今後,ディスプレーの需要は益々高まることが期待される。こうした中,同社ディスプレーデバイス事業のアプリケーションの拡大や生産能力の向上,さらには将来の競争力強化に繋がること。
③現在,大型液晶パネル市場において大きなシェアを占める中国が米中貿易摩擦の最中にあることから,中国以外にある唯一の第10世代(マザーガラス2,880mm×3,130mm)以上の大型液晶パネル工場であるSDPは,米州市場向けのパネル供給において優位性が期待できること。
なお,SDPの資本金は324億85百万円。その株式は現在,シャープが20.00%,World Praise Limitedが80.00%を所持してる。