2025年度通信機器・通信サービス市場,14.4兆円に

富士キメラ総研は,通信機器や通信サービスの国内市場を調査し,その結果を「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,2020年度の通信機器市場は,「GIGAスクール構想」を受けて文教向けタブレット端末やネットワーク関連製品が伸び,5G通信サービス向け移動体通信端末/基地局関連製品の需要増加もあり好調だった。

2021年度は文教分野での特需の反動減により,縮小するとみる。今後は,会議関連製品や移動体通信基地局関連製品は堅調な伸びが期待されるが,移動体通信端末の買い替えサイクル長期化や,スマートフォン利用増加に伴う固定電話端末の需要減少などにより,市場は緩やかな縮小を予想する。

2020年度の通信サービス市場は,新型コロナ流行の影響を受けた自宅時間の増加によりFTTHサービスへの移行進展,映像系会議やビジネスチャットサービスの需要増加,また,リモートアクセスサービスなどが伸び好調だったという。

今後,移動体通信サービスが事業者間の競争激化に伴うARPU(ユーザー1人当たりの売上金額を表す指標)低下により縮小が懸念されるが,インターネット接続サービスにおけるFTTHサービスの普及や10Gサービスの需要増加,また,テレワークや遠隔授業に伴う会議サービスやリモートアクセスなどの伸長が期待されるとする。

カテゴリー別にみると,通信機器市場では,会議関連製品と移動体通信基地局関連製品の伸びが期待される。会議関連製品は,2020年度は,オフィス内のハードウェア製品への投資抑制や,テレワーク推進のため導入が容易なクラウド系Web会議サービスが採用され影響を受けたが,2021年度はオフィス内のリモート会議環境整備などへの投資増により,堅調な伸びが期待される。

今後,テレワークや遠隔授業などの広がりを受けて,自宅やオフィス,学校などで映像/音声品質の向上によるコミュニケーション環境の整備が求められるため,堅調な市場拡大が予想されるという。また,遠隔会議の参加人数や場所,用途に応じて様々な機器やサービスが利用され,オンライン商談やオンライン相談窓口などの活用も広がり,需要増加を予想する。

2020年度の通信サービス市場では,インターネット接続サービスとその他サービスの伸びを期待する。インターネット接続サービスは,2020年度は,新型コロナ流行によるテレワークやWebコンテンツの利用増加に伴い,FTTHサービスへの移行が進んだ。ADSLサービスやINSネット(ディジタル通信モード)の終了もあり,今後はFTTHサービスなどで1G超プランの利用が増え,顧客単価が上昇するとして,市場拡大を予想する。

その他サービスは,テレワークの普及に伴い,非対面のコミュニケーションサービスである映像系会議やビジネスチャットサービスの需要が増加した。なお,5G信関連では,2020年度にサービスエリア拡大に向けて,ネットワーク関連製品や移動体通信基地局関連製品を中心に好調だったという。

通信サービスでは携帯電話サービスのほか,固定データ通信サービスやインフラシェアリングサービスなどで立ち上がりつつある。2025年度にかけては通信サービスが大きく伸びるとみる。

この調査では,ローカル5G/プライベートLTE基地局に注目。総務省によりローカル5Gでの利用に割り当てられた4.5GHz帯と28GHz帯向けのローカル5G基地局,プライベートLTEの利用に割り当てられた1.9GHz帯(sXGP)と2.5GHz帯(自営BWA)向けのプライベートLTE基地局を対象とした。市場は無線部(RRH,RU)とベースバンド部(BBU,DU/CU)のメーカー出荷金額で算出した。

ローカル5GやプライベートLTEは,企業や自治体の自営無線システムとして高速,低遅延,多接続かつ,帯域独占,セキュリティの高さ,基地局構築の柔軟性など様々な利点があり,普及が期待されている。

ローカル5Gは2019年度にミリ波帯が制度化され市場が立ち上がった。2020年度には,ミリ波帯と比べて使い勝手の良いSub&6帯が制度化され,ローカル5Gを利用したソリューション提供や自営インフラ構築を検討する通信キャリアやCATV事業者,大手電機メーカーなどがPoC(概念実証)を進めている。総務省による補助金の提供や税制優遇措置も後押ししているという。

基地局に関しては,移動体キャリア向け製品をベースとした製品が存在するが,高価格であるため,低価格なローカル5G用製品が注目されている。ただし,ローカル5G用製品はキャリア向け製品をベースとした製品と比べると通信品質が低い点が課題となっている。

また,ローカル5Gに関して,免許申請の手間,対応するルーターや端末機器が十分に整備されていないなどの課題があるが,それらが徐々に解消されることで,市場拡大が予想されるという。プライベートLTE基地局は,2.5GHz帯のBWA(Broadband Wireless Access)製品はNSA(NonStandAlone)構成のローカル5G基地局におけるアンカー基地局としてや,ローカル5G基地局より低価格で機能が成熟している点で需要を獲得するとみる。

1.9GHz帯のsXGP(shared eXtended Global Platform)製品は利用できる帯域が拡張され、構内PHSシステムとの共存が容易となったことで,代替需要が増えるとみている。

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