電子情報技術産業協会(JEITA)は,電子情報産業の世界生産見通しを発表した(ニュースリリース)。
この調査は2007年より継続して実施しているもので,世界の電子情報産業の生産規模をデータにより明確にするとともに,世界における日系企業の位置づけを把握することを目的として,会員各社を対象としたアンケート調査の結果を取りまとめて推計するもの。
それによると,電子情報産業の2021年の世界生産額は,対前年比11%増となる3兆3,602億ドルが見込まれる。ITリモート等のデジタル化の進展や巣ごもり需要により,テレビやスマートフォン,サーバ等が高成長となり,また,テレビの大画面化,データセンターの増強等を背景とした電子部品デバイスの伸長,データ活用の高度化などによるソリューションサービスの増加が寄与したことにより,大きく伸長する見込みとなった。
2022年は新型コロナウイルス感染症の再拡大への不透明感は残るものの,各国での感染拡大防止やカーボンニュートラルの観点から,ITリモートや5G等のデジタルインフラ整備などの投資が進み,ソリューションサービスや通信機器の需要拡大・伸長が期待できることから,世界生産額は前年比5%増の3兆5,366億ドルとなり,過去最高の世界生産額を更新する見通しだという。
2021年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額は,37兆3,194億円を見込む。日本国内のみならず,世界規模での巣ごもり需要を中心にテレビやプリンタ,医用電子機器などを中心に好調に推移し,電子部品や半導体,無線通信装置もデジタル化の進展による輸出増の影響を受けたことが要因だという。
国内生産額は前年比11%増の10兆9,322億円で,2017年以来となる4年ぶりのプラスに転ずる見込み。今後は,脱炭素化に向けた取り組みと共に,各種データ連携や自動化など新たな価値を生み出す源泉として,デジタル変革に伴う需要拡大が見込まれることから,2022年の日系企業の世界生産額は,前年比2%増の38兆152億円とした。国内生産額は,前年比2%増の11兆1,614億円を予測している。