仏ヴァレオは,レベル3自動運転を実現する新型メルセデスベンツSクラスに同社のLiDARである「SCALA」第2世代が初搭載されることを発表した(ニュースリリース)。
このLiDARを搭載したメルセデスベンツSクラスは,高速道路や渋滞時(現在は時速60km以下)などの制御された条件下において,条件付き自動モードで運転できるようになる。このモードでは,車両が運転を完全に制御するため,ドライバーは一時的に前方の道路から注意をそらすことができるという。
高速道路走行中の条件付き自動モードでは,ドライバーはリラックスしたり,運転以外のタスクに集中したりする時間を得られるとし,許可される活動には,電話をかける,ネットサーフィンをする,電子メールを読むことが含まれる。これらはすべて,車両に組み込まれているインフォテインメントシステムを介して行なわれる。
このLiDARは世界で最初に量産されたレーザースキャナーであり,すでに発売中の車両に搭載され,信頼性においても自動車市場の厳しい仕様を満たすという。さまざまな状況やあらゆる気象条件で検知性能を発揮し,車両の前方を1秒間に25回スキャンする。また,200m以上の長距離の検知範囲と広い視野角を兼ね備える。
また,車載LiDARは,あらゆる季節と道路状況において視野をクリーンに保つことが必要となるが,新型メルセデスベンツSクラスは,ヴァレオの「新世代LiDARクリーニングシステム」として,2つのイノベーションを備えたデバイスを装備する。
第1は,洗浄液を噴霧する伸縮ノズルを加熱することで氷を解かす解氷機能。第2は,従来のノズル式のように一点からスプレーするのではなく,液体のカーテンをLiDARの表面全体に吹き付けてクリーニングする新方式。このクリーニングシステムはセンサー自体に組み込まれるように設計されていて外から見えず,車両の外観に影響を与えないとしている。