精工技研は,2022年1月から,「GNSS(GPS)光伝送ユニット」を量産化することを発表した(ニュースリリース)。販売価格は,GPS信号を光に変換して送信する送信機と,光信号を受信して元のGPS信号に戻す受信機の2台1セットで198,000円(税抜)。
昨今,5Gや4K・8K映像伝送などの高速な通信において,高精度時刻同期が必要とされており,その時刻ソースとしてGPS信号が広く用いられている。しかしながら,通常GPS信号は屋外のアンテナから受信機までを同軸ケーブルで接続するため,同軸ケーブルの敷設工事が必要であり,アンテナ―受信機間の距離制約や雷への不安があった。
この製品は,無線信号を光へ変換するRoF(Radio over Fiber)技術を活用し,GPS信号の光延伸を実現。既設の光ファイバ網を利用することで同軸線の敷設が不要であり,同軸ケーブルと比べて伝送損失が小さく,長距離伝送が可能なため信号源の二重化が可能だとしている。
また,既設の汎用的な光ファイバを利用することが可能なため大規模な工事が不要。光ファイバは錆や腐食がないため半永久的に運用が可能となる。さらに光ファイバは電気を通さないため,GPS受信機以降に対する雷対策として非常に有効だという。
光/GNSS変換後の同軸分岐にも対応し,GNSSアンテナへの電力供給機能も付属。同社は当面年間1,000セットの受注を目指し,2022年1月より量産を始めるとしている。