凸版印刷は,スポーツを通じた運動能力向上/健康増進を目指す,企業/団体との共創空間「トッパン・スポーツサイエンスラボ」を10月29日,東京都台東区に開設した(ニュースリリース)。
スポーツにおいては,専門知識に裏付けられた正しい動作トレーニングが上達/怪我防止/選手寿命の延長に必要不可欠とされている。
しかし,近年学校現場では,競技ニーズの多様化による教員の負担増加や,スポーツ指導資格を保有していない教員も多く,質の高い指導が受けられないことが課題となっている。
このような中で同社は,従来培ってきた高精細な画像データ処理技術や,形状を正確にデジタル化する計測技術を始めとした,先端表現技術を活用し,日本体育大学と共同で「ループ型動作トレーニングシステム」を開発した。
このシステムは,複数のアスリートをモーションキャプチャし,動きを規格化/平均化した「標準動作モデル」を作成。「標準動作モデル」と運動者の動きを比較し,改善点を抽出/可視化する。
「標準動作モデル」をお手本にすることで,今までにない効率的な動作向上の成果が期待できる。今回,このシステムを活用した新たなトレーニングサービスを生み出す共創の場として,「トッパン・スポーツサイエンスラボ」を開設したという。
同ラボでは,システムの核となる「標準動作モデル」を構築するためのモーションキャプチャを,一般的なマーカー型ではなく,マーカーレスでセンシングができる環境を構築。より自然な環境で動作取得を行なうことが可能になる。
こうして得た,計測/分析データのライブラリー化を進め,「マスターモーションライブラリ」を構築する。まずは日本体育大学と連携し,主要スポーツを中心に(例えば、野球/バスケットボール/テニス/陸上など)の「標準動作モデル」を作成。部活動をはじめとする教育現場に展開ができるサービスの創出を目指す。
また,「マスターモーションライブラリ」を最大限に活用し,様々なスポーツをターゲットにしたループ型動作トレーニングシステムの開発を推進。レッスン現場/教育現場/オンライントレーニングなど用途に合わせた環境を構築し,様々な企業/団体と共創しながら市場投入を目指すとしている。