新日本無線とリコー電子デバイスは10月11日,2022年1月1日付で合併統合することを決議したと発表した(ニュースリリース)。
両社は,2021年1月8日に統合の決定を発表していたが,今回開催した株主総会において新会社の概要が決定した。
新社名は「日清紡マイクロデバイス株式会社」。代表取締役社長には,現リコー電子デバイス取締役社長(日清紡ホールディングス執行役員)の田路悟氏が就任する。
リコー電子は,1981年にリコーの事業部門として誕生。2014年に会社分割により分社化し,リコー電子デバイスとしてスタートを切っている。世界に先駆けて製品化を実現したCMOSアナログ技術をコアとして,携帯機器市場向けに小型・低消費電力の電源IC,車載・産機市場向けに高耐圧・大電流・高性能な電源IC,リチウムイオンバッテリー市場向けに小型で高精度な保護ICなどを提供してきた。
しかし,リコーは2017年度から開始した3カ年計画の中で構造改革と成長事業の重点化,経営システムの強化に取り組む中,2017年10月30日に,リコー電子デバイスの発行済株式の80%を日清紡ホールディングスに譲渡している。
一方,日清紡ホールディングスは,半導体とマイクロ波に特化して事業を展開する新日本無線を2018年に完全子会社化し,汎用リニアICやマイクロ波機器などの製品を提供してきた。今回の事業統合により,同社が成長戦略として取り組んできた,オートモーティブおよび超スマート社会関連ビジネスのポートフォリオがさらに拡充されることになる。