NECは米Facebookと,欧州と米国を結ぶ超大容量光海底ケーブルのシステム供給契約を締結し,建設を開始したと発表した(ニュースリリース)。
従来,中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルでは,ケーブル1本に収納する光ファイバーの数は最大でも32心(16ファイバーペア)程度だったが,今回使用するケーブルでは同社が新たに開発した48心(24ファイバーペア)の海底ケーブルを世界で初めて採用した。
これにより,ケーブル単体では32心のケーブルと比較して1.5倍の伝送容量を実現し,0.5Pb/sの設計容量を可能にするという。これは中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルとしては世界最大容量となる超大容量伝送だとする。
近年,5Gの普及に伴うモバイルデータ通信量の増大や各国でのデータセンター建設増加などを背景に,国際通信における回線需要の大幅な拡大が予想されている。このような需要に応えるため,大容量・高速な通信を実現する海底ケーブルの国際データ通信インフラとしての重要性が高まっている。
特に欧州と米国を結ぶ北大西洋地域は,2021年~2035年の間にデータ通信量が約20倍になると予測され,高い成長率を示している。同社は,こうしたデータ通信量の増加に対応するため,光海底ケーブルの大容量化を進めているという。
このケーブルはFacebookが計画・運用し,NECが建設を行なう。このケーブルは同社が初めて手掛ける北大西洋横断ケーブルとなる。なお,深海8,000mの水圧に耐えられる光海底ケーブルは,NECの子会社であるOCCが製造を担当する。