北陽電機は9月22日,米スタートアップのSiLCと,次世代の高度な産業用およびロボット用LiDARソリューションを開発するための戦略的協力関係を共同で発表した(ニュースリリース)。
SiLCはシリコンフォトニクス業界での開発と製造の経験を持ったメンバーによって設立されたスタートアップ企業。
同社の4Dビジョンチップは,FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)技術をベースにしており,LiDARソリューションを実現するために必要となるレーザー,ディテクター,光処理技術の全てを統合し,シリコンフォトニクス技術により小さなフットプリントを実現するという。
このビジョンチップで構成されるFMCW方式LiDARは,既存のLiDARに比べて,検出距離,解像度,精度,耐環境性,非相互干渉などの主要性能が優れている。さらにFMCW方式の特徴である瞬間速度,偏光強度などの計測情報を追加することができ,より人間の視覚認知に近づけたアプリケーションが実現可能となるとする。
北陽電機はサービスロボット用センサとして測域センサ(LiDAR)を2004年に商品化した。今回のSiLCとの協業により,北陽電機のLiDAR製品開発技術とSiLCの4Dビジョンチップ技術を相互補完することで,今後LiDARの利用拡大が期待される産業オートメーション,ロボット市場に向け,次世代のFMCW LiDARソリューションを共同で開発していくとしている。