自治医大ら,光トポグラフィーでADHD薬の反応検出

自治医科大学,国際医療福祉大学,中央大学,日立製作所は,ADHDに対する治療薬(グアンファシン塩酸塩(GXR))の薬効反応を世界で初めて検出した(ニュースリリース)。

注意欠如多動症(ADHD)の治療薬であるモノアミン再取り込み阻害薬(メチルフェニデートやアトモキセチンなど)は,前頭前野を介した脳内モノアミンネットワークを賦活しADHD症状を軽減するとされている。

fMRIをはじめとする脳機能研究によって,同薬剤の前頭前野における薬効反応が検出されていた。 一方,同じくADHD治療薬として認可されている,α2A選択的作動薬(グアンファシン塩酸塩(GXR))のADHDに対する作用機序や脳における薬効反応は明らかではなかった。

研究グループは,これまで光トポグラフィー(fNIRS)を用いて,モノアミン再取り込み阻害薬の右前頭前野における頑健な薬効反応を検出するシステムを開発してきた。この研究では,このシステムを用いて,GXRの薬効反応を検討した。

GXR 1mg(0.03-0.06 mg/kg)/日が有効であったADHD児(n=12,平均8.0±1.5歳)を対象に,プラセボ対照二重盲検比較試験を行なった。被験者には,検査前4日間,GXR(半減期18.4時間)内服を中止し,実薬もしくはプラセボ内服3時間(Cmaxの80%到達時間)前後にfNIRSによる脳機能計測(行動抑制課題中に変化する酸素化ヘモグロビン濃度(oxy-Hb))を行なった。

実薬とプラセボ内服前後のoxy-Hb変化の差分を比較し,薬効反応を検出した結果,右角回に有意なoxy-Hbの増加を示したが,一方,前頭前野に有意な変化はなかった。

以上の結果から,GXRの脳機能学的薬理効果は,従来のADHD治療薬とは異なる作用機序を有すると推測された。賦活化した右角回は注意機能ネットワークの一つであり,GXRの作用メカニズムは右角回を中心とした脳内ネットワークの賦活に関与する可能性も示唆されたという。

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