古河電気工業と富士通オプティカルコンポーネンツ(FOC)は,連携して次世代集積デバイスの開発を行なっていくこと,アジア地域におけるソリューション提供ニーズに対応することに合意した(ニュースリリース)。
通信トラフィックの爆発的な増大を背景に,ハイパースケールデータセンターのネットワークに用いられるスイッチの大容量化が加速しており,使用されるトランシーバの速度も400Gb/s,800Gb/sへと進化し,広帯域化に対応するデバイスへのニーズは高まっている。
さらに,このデータセンタ間向けのトランシーバではより小型化かつ低消費電力化が課題となっており,この課題に対応するために光デバイスの高機能かつ小型集積化は必須であり,要求される技術が広範囲化している。このような背景の下,今回の合意により両社はそれぞれの強みを生かして高機能な製品を開発し,新たなソリューションを目指す。
両社は従来から通信市場に向けて,ITLA(波長可変光源),光増幅器,光変調器,光受信器,光送受信機などを製品化してきた。今回の連携では,波長可変レーザーの分野を得意とする古河電工の「化合物光半導体技術」と,光送受信デバイスで高いシェアを誇るFOCが保有する「LN/シリコンフォトニクス技術」との異種材料を融合する。
これにより,それぞれ単体では成しえない高機能かつ小型の次世代大容量光通信用集積デバイスを開発し,800Gb/s超トランシーバ市場に向けたグローバル展開を⽬指すとしている。
また,デジタルコヒーレント技術を用いた通信方式の使用範囲は世界中で拡大しているが,従来に比べ複雑な技術や部品構成となっていることから,個々の部品だけではなくソリューションでの提供ニーズがアジア地域で高まっているという。
そこで,古河電工の波長可変光源,光増幅器とともにFOCのLN変調器,ICR,光集積デバイス双方のコヒーレント光デバイスを含めたトランシーバソリューションを連携して,提供・販売するとしている。