東大ら,白色矮星と超新星を分ける超新星を確認

著者: sugi

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU),京都大学,国立天文台,米カリフォルニア大学サンタバーバラ校博士らの研究グループは,日本のアマチュア天文家によって発見された超新星2018zdの詳細な観測を行ない,この超新星が電子捕獲型超新星であると結論付けた(ニュースリリース)。

恒星は内部で核反応を起こすことで長時間自らの重さを支え続ける。質量の小さい恒星は,やがて核反応を続けなくても自らの重さを支えられる白色矮星となって終焉の時を迎える。

質量の大きい恒星は,核反応により中心部で鉄ができると自らの重さを支えきれなくなり,潰れた後に超新星として爆発することが知られている。この境目となる質量は太陽の8倍程度であると考えられている。しかし,この境目付近の質量を持つ恒星がどのような運命を辿るのかは長い間謎に包まれていた。

この境目の恒星は「電子捕獲型超新星」と呼ばれる特殊な超新星として爆発することが約40年前に理論的に予測されていた。さらに,「明月記」に記録の残る1054年の超新星が電子捕獲型超新星であった可能性も指摘されていたが,電子捕獲型超新星とはっきり分かる超新星はこれまで発見されていなかった。

2018年3月2日,山形県のアマチュア超新星ハンターより,きりん座の方向で爆発直後の超新星2018zdが発見された。また,千葉県のアマチュア超新星ハンターの観測により,爆発直後の詳細な明るさの変化が記録された。

これを受け研究グループは,世界中の地上望遠鏡と宇宙望遠鏡でこの超新星の詳細な観測を行ない,その結果,この超新星は通常とは異なる特徴を多く持っていることが明らかになった。

観測から推定された超新星に含まれる元素の量や爆発エネルギー,星の周囲の環境は,電子捕獲型超新星の理論予測と一致するものだった。さらに,偶然にもハッブル宇宙望遠鏡が超新星の現れる前に超新星の場所を観測しており,超新星となった恒星の爆発前の姿を捕らえていたことも判明した。

爆発前のデータから,爆発した恒星は太陽の約8倍の質量を持っていたことも明らかになった。この結果,超新星2018zdは電子捕獲型超新星が持つと予測された全ての特徴を持った初めての超新星であることが明らかになった。

この成果により,これまでよくわかっていなかった白色矮星と超新星の運命の境目が明らかになった。また,世界中の大望遠鏡で超新星探しが行われている現代においても,アマチュア天文家による発見が天文学に大きなインパクトを与えていることが示された重要な結果となった。

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