タムロンは,可視光領域(Visible)から短波赤外光領域(SWIR)の広波長帯域に於いて高い分光透過率特性を実現し,異なる波長帯域でのピントずれを極限まで低減させた産業用単焦点レンズ「SMA11F12」の販売を開始した(ニュースリリース)。価格はオープン。
近年,産業用途では,部品や製品の外観検査,電子部品の基板実装状態の検査等で,可視光領域をメインに高解像度マシンビジョン用カメラの利用が進んでいる。一方,可視光では判別が難しかった製品や食品などの欠陥検査,異物の誤混入検査,さらには検査物質の特定などについてはSWIRに対応した産業用カメラの利用が進んでおり,最近では可視光領域からSWIRまでの幅広い波長域の撮影が1台のカメラで可能となる製品も販売されているという。
これらの市場の期待に合わせ,同社が発売した1型5μピクセルピッチ産業用単焦点レンズ「MA11F12」は400nm~1700nmの広い波長領域に渡り,異なる波長帯に対するピントずれを極限まで低減。可視光領域対応のマシンビジョン用カメラ,SWIR対応の産業用カメラ,両波長領域の撮影に対応した産業用カメラとの組み合わせにも適しているという。
またこの製品は,同社オリジナルの特殊コートを新規に開発し,業界トップクラスの分光透過率を実現。可視光領域からSWIRまで約80%のフラットで高い分光透過率を実現している。
さらに,使用頻度の高い至近撮影距離での良好な高コントラストを達成。センサー画素ピッチ5μmに対応し,ソニー製「IMX990/IMX991」に対応しているという。