ウシオライティングは,4カメラでの監視(特許出願中)を実現した金型監視装置「PLUS-E(プラスイー)」の「PE-700モデル」を7月上旬から販売開始することを発表した(ニュースリリース)。販売価格は145万円(税抜き,標準装備)。
「PLUS-E」は,プラスチック射出成形機やダイカストマシンの成形プロセスで,成形品の落下不良,成形不良,ピン折れなどを監視する。不良,不具合を検知した際には成形機を停止,あるいは自動復帰させることにより,精密かつ高価な金型破損を未然に防ぎ,ダウンタイムや製造のトータルコストを低減させるという。
「PE-700モデル」は,成形品の品質要求が高まるなか,1工程内で複数の監視,検査が行ないたいというニーズに対して,最大4台のカメラを使用し,多角的な撮像を行なう。これにより,細かい複雑な金型,あるいは大型製品や外装部品などに使用される大きな金型の検査を可能にするとしている。
加えて,さらに進む金型の複雑・精密化にともない,ショートショット(成形品の一部に不完全な充填が起きる現象)などの製品検査,パーティング面(金型が分割される境目)の監視需要も増加傾向にあることから,4カメラによる検査が威力を発揮するという。
また,フルカラーHD解像度(200万画素)の高精細画像によるさまざまな処理を,最新デバイスやメモリーを搭載したことで,0.012秒以内という短時間で行なうことが可能。複数の基準画像による監視も可能になったので,誤動作,誤検知を回避できるとしている。
さらに,LANやUSBポートはもとより,多くの通信ポートによって,これまで困難であった成形機をはじめとする多くの外部機器との接続が容易に行なえ,連動の強化をもたらすという。また,成形品のトレサビリティを含む管理強化が求められるなか,たとえば要望の高い金型デポジット数値化を監視装置で実行し,データ保存することもできるという。
この製品の主な用途は以下のとおり。
・電子・電気・精密機器部品(狭ピッチコネクタ,スマートフォンやデジタルカメラ部品など),自動車部品(ハーネスコネクタ,電装部品,内装小物など),家電・AV製品をはじめ,筆記具,医療器にいたるプラスチック成形品の,成形プロセスにおける金型監視
・ダイカスト成形品の成形プロセスにおける金型監視