ニコンソリューションズは,高解像な8K×8K画像(8192×8192画素),世界最大の視野数25mmの広視野画像を直感的な操作で取得可能な,共焦点レーザー顕微鏡システム「AX」「AX R」を5月下旬より発売する(ニュースリリース)。
近年,細胞や胚に加え,生体組織などの大型な標本を生きたまま顕微鏡で観察し,瞬時の反応や変化を研究,解析するニーズが高まっている。
このようなニーズに対し,ニコンは,レーザー光源で標本をスキャンし,コントラストの高い良好な断層画像を取得する共焦点レーザー顕微鏡システムを提供している。厚みのある標本であっても,複数の断層面で取得した画像を合成することにより,三次元で構造を観察できる。
新製品は,研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」や研究用電動正立顕微鏡「ECLIPSE Ni-E」と組み合わせて使用することにより,高解像な8K×8K画像,視野数25mmの広視野画像を取得できる。
従来製品と比較して,光を検知する受光部(マルチアルカリ光電子増倍管を選択した場合)の感度を2倍向上,暗電流ノイズを約30%低減させた。細胞へのレーザー照射時間を減らして,励起強度を弱めることを可能にし,低褪色で低光毒なイメージングを実現したという。
「AX」は,速度を制御しながら高解像画像を取得するガルバノスキャナーを搭載し,「AX R」はガルバノスキャナーと高速に画像を取得するレゾナントスキャナーを搭載する。
「AX R」に搭載したレゾナントスキャナーは,従来機の共焦点レーザー顕微鏡システム「A1R HD25」と比較し4倍となる2K×2K画像(2048×2048画素)を高速に取得し,標本の瞬時の反応や変化といった生体現象を逃さずとらえる。脳神経やがんのメカニズム解明,幹細胞や創薬など,さまざまな分野の研究に対応する。
「AX」「AX R」とあわせて用い,顕微鏡画像の取得や解析,データ管理を一元化する画像統合ソフトウエア「NIS-Elements C」には,直感的な操作ができるGUIを採用。個々の研究ニーズに合わせカスタマイズできる高い拡張性を備え,多様化する生命現象の研究に幅広く対応するとしている。