阪大ら,発電・蓄電するシート型生体センサー開発

大阪大学と豪Joanneum研究所は,極薄シート型圧電システムを開発することに成功した(ニュースリリース)。

IoTデバイスは,我々の健康を支える医療・ヘルスケア技術との融合によりDigital Healthcareとして身近になりつつある。

最近では,Digital Healthcareに向けたエレクトロニクス技術として,生体適合性の材料,省エネシステム,自律駆動システムなどの研究開発が進んでいる。

しかし,これまでの電子デバイスは折り曲げることが容易ではなく,皮膚など身体の表面や複雑な形状の上に付けることが難しいという課題があった。一方,機械的柔軟性に優れるシート型電子デバイスは,人の肌に貼り付けても,密着するため違和感なく装着することができる。

今回,研究グループは,1µm厚のポリマー基板上に強誘電性ポリマー,有機ダイオード,蓄電キャパシタ等の薄膜電子部品を集積化する技術開発を行ない,極薄シート型圧電システムを実現した。

このシート型圧電システムは,圧力・歪・振動に対して高感度(15nC/N),高速応答(20ms/N)でありながら,優れた機械的柔軟性(曲げ半径 40µm)を備えているという。

これにより,肌表面での脈拍などの生体情報モニタリングに成功し,さらに3mW/cm3を超える環境発電と蓄電に成功したという。さらに,関節部に貼り付けることで,約200mJ/dayの発電ができると試算している。

研究グループは将来,肌に密着しても装着感ない計測を可能とする,充電不要のシート型センサシステムの実現が期待されるとしている。

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