金沢大ら,ダイヤモンドウエハーの平坦技術を開発

金沢大学と独Diamond and Carbon Applicationsは,ダイヤモンドの研磨代替技術となる機械的ダメージフリー平坦化技術を開発した(ニュースリリース)。

カーボンニュートラル実現のために,半導体デバイスの更なる省エネ化が必要となり,次世代ワイドバンドギャップ半導体の開発が期待されている。その中でも特に高い絶縁破壊電界とキャリア移動度,熱伝導率,そして長時間の量子情報保持などの特長を有するダイヤモンドは,究極の半導体デバイス材料として期待されている。

しかし,そのデバイスの土台となるダイヤモンドウエハーの製造コストや製造プロセスに関する課題がダイヤモンド半導体の応用を大きく制限している。

研究グループは,ニッケル中への炭素固溶によるダイヤモンドエッチングを基軸としたニッケル鋳型を用いたダイヤモンドのインプリント技術を開発した。インプリント技術は,大量生産・低コスト化に有効なプロセス技術であり,ダイヤモンドのデバイス構造作製のための加工プロセスとして期待されている。

一方,ダイヤモンド表面の平坦化には一般的に機械研磨が用いられている。しかし,機械研磨では一見平坦な表面が形成できても,ダイヤモンド表面に機械的なダメージが入り,デバイス特性が劣化することが知られていた。

今回,研究グループが開発した機械的なダメージが入らないインプリント技術を応用し,ダイヤモンドとニッケルを接触させアニールするだけで,平坦なニッケル表面を単結晶ダイヤモンドに転写する新しいダイヤモンドの平坦化法を開発した。

研究グループは今後,この研磨代替技術を発展させ,ダイヤモンドウエハーの研磨技術の課題であった機械的ダメージフリー・大面積・低コスト化を解決することで,ダイヤモンド半導体の実用化に向けて大きく前進することが期待できるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 浜松ホトニクス、内部加工型レーザダイシング技術で文科大臣表彰を受賞

    浜松ホトニクス、内部加工型レーザダイシング技術で文科大臣表彰を受賞

    浜松ホトニクスは、令和8年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞・開発部門)」において、「内部加工型レーザダイシング技術の開発」で受賞したと発表した(ニュースリリース)。 同表彰は、社会経済や国民生活の発展に寄与…

    2026.04.17
  • LSTC、光電融合を加速する半導体パッケージ技術開発に着手

    技術研究組合 最先端半導体技術センター(LSTC)は、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、「光電融合を加速する半導体パッケージング技術開発と先端後工程拠点形成」が採択されたと発表した(ニ…

    2026.04.14
  • 阪大など、ナノダイヤモンドの高圧選別に成功 高感度センサーへの応用に期待 

    大阪大学、ダイセル、立命館大学は、欲しい波長で光るナノダイヤモンドだけを光の圧力(光圧)で選別することに初めて成功した(ニュースリリース)。 ダイヤモンドの色中心と呼ばれる構造が注目されている。これは透明なダイヤモンドに…

    2026.04.03
  • OFC2026、AI需要が牽引する光電融合技術の最前線、過熱の中で見える次の課題

    OFC26(会期:2026年3月15日~19日/ロサンゼルス・コンベンションセンター)は会期2日目(現地時間3月18日)を迎え、展示会場とカンファレンスは引き続き強い熱気に包まれていた。初日のレポートでも触れた通り、生成…

    2026.03.19
  • AIインフラを支える光技術が集結、OFC 2026開幕―光電融合と巨大投資が示す新局面

    光通信分野で世界最大級の国際イベント「OFC 2026」が米国ロサンゼルス・コンベンションセンターで開幕した。会期は2026年3月19日(米国時間)までで、カンファレンスは15日から行なわれているが、展示会は17日にスタ…

    2026.03.18

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア