三菱電機は,サーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR」の新製品として,広画角化と高画素化を実現した80×60画素製品「MIR8060B1」を7月1日に発売することを発表した(ニュースリリース)。サンプル価格は9,600円(税抜き)。
物体が温度に応じて発する赤外線を受光し,電気信号に変換することで温度の測定などを行なう赤外線センサーは,防犯機器や空調機器,人数カウントソリューション,スマートビルなど幅広い分野で使用されている。
新製品は,広画角化・高画素化で,より広範囲の人・物の識別や行動把握を高精度に実現。従来製品比で画角が1.8倍,画素数が1.9倍となっており,従来製品と同じ高い温度分解能(100mK,0.1℃単位での温度分析が可能)を維持しながら,従来製品と同等の空間分解能で検知できる面積を2~4倍に拡大しているという。
また,防犯,人数カウント,動物検知などにおいては,熱源を判別し動きに追随できる感度とフレームレートで熱画像を取得する必要があるが,この製品はフレームレートを従来比2倍の8fpsで熱源の動きを正確に把握。例えば,時速36kmで動く物体が視野内で10m移動する場合において,4fpsでは4枚の熱画像でしか確認できなかったものが,8fpsでは8枚の熱画像で確認できるので,より詳細な行動を把握することが可能になる。
熱源で発生した赤外線をセンサーチップに集光するためのレンズは,その特性として周辺部で入射率が低下し,結果として検知範囲の周辺部での感度が低下するが,新製品は,周辺部における感度補正を最適化したことで,熱源の動きをより正確に把握できるという。
さらに新製品は,各用途における適用提案などの資料や製品評価が可能な評価キット,ユーザー側の製品開発で行なわれるソフト/ハード設計をサポートするためのリファレンスコード,リファレンスデザインを提供することで,製品開発期間の短縮に貢献するとしている。