独Baslerは,インターフェースの種類にかかわらず,幅広いカメラに接続できる「エンベデッドビジョンプロセッシングキット」を発表した(ニュースリリース)。
産業用途に適したキットであり,プロトタイピングから量産に至るまで幅広い作業を効率化できるなど,これまでのエンベデッドビジョンの概念を一新するソリューションだとしている。
キットに含まれるプロッセングボードは,NXPセミコンダクター製「SoC i.MX 8M Plus」をベースに,柔軟性の高いSoMとキャリアボードを採用。付属ソフトウェアの「pylon Camera Software Suite」は,各種カメラインターフェースの認証ドライバー,簡単シンプルなプログラミングインターフェース,充実のカメラ設定ツールを搭載するなど,高い信頼性を実現しているという。
インターフェースは,MIPI対応BCON,GigE Vision,USB3.0 Visionの3種類を選択できるため,同社の製品ラインナップの中から,さまざまなセンサー・仕様に対応したカメラを自由に組み合わせることが可能。さらに,産業用途に最適化された柔軟性の高い設計も大きな特長で,どんなビジョンシステムでも簡単に構築できるため,開発労力やコストの削減につながるとしている。
想定用途は多岐にわたり,ファクトリーオートメーション,物流,リテール,ロボット,スマートシティ,スマート農業を含め,価格や市場投入速度が重視される分野において大きな威力を発揮するという。
機能サンプル第一弾の公開は2021年4月,一般販売は2021年7月を予定。このほか,今後の開発工程として,各種製品・プロジェクト向けの量産や対応ソフトウェアの拡充も計画されているとしている。
この製品の主な特長は以下のとおり。
・要件の厳しい産業用途に柔軟に対応
・既製品の筐体に最適なコンパクトなデザイン
・NPU(ニューラルネットワークプロセッシングユニット)とISP(画像信号プロセッサー)を搭載し,高度な機械学習が可能なNXPセミコンダクター製「i.MX 8M Plus」を採用
・画像処理向けインターフェース:MIPI対応BCON,GigE Vision,USB3.0 Vision
・準拠規格:HDMI,GPIO,SPI/I2C,LVDS,UART,CAN,USB2.0,Wi-Fi,Bluetooth
・すぐに使えるソフトウェア:pylon API,カメラドライバー,サンプルコード
・AI対応