日本電気硝子は,世界で初めて無色透明かつ熱膨張係数がゼロの結晶化ガラスの開発に成功し,サンプルの供給を開始する(ニュースリリース)。
これまで,無色透明のゼロ膨張結晶化ガラスを作ることは極めて困難であると考えられてきたが,今回開発した「セラピュア」は,その常識を覆すことに成功した。
従来のゼロ膨張結晶化ガラスは,結晶化に必要な成分が着色の要因となるという根本的課題を抱えていた。その課題の解消は極めて困難で無色化はほぼ不可能と考えられており,ゼロ膨張結晶化ガラスの誕生以来50年以上もの間,未解決となっていた。
同社はゼロ膨張結晶化ガラスの新しい用途開拓と発展のため,その長年の課題に挑み,化学組成を抜本的に見直すことで,着色の要因となる成分を使用することなく所望の結晶を析出させ,無色透明のゼロ膨張結晶化ガラスの開発に成功した。
この新しい結晶化ガラスは,ゼロ膨張,高い耐熱衝撃性と耐熱性,ヒ素などの有害物質を含まないといった従来の結晶化ガラス同様の優れた特性を維持しつつ,無色透明という新たな付加価値を実現している。800℃のサーマルショックにも割れない耐熱性を有すことから,調理器用トッププレートにおいて,これまでに実現しえなかった白や淡色の印刷をより鮮やかに発色させることが可能になるという。
その他,さまざまな分野において,その透明性を活かして,市場参入を目指すとしている。