住友化学,高分子有機EL発光材料の事業化を加速

著者: sugi

住友化学は,高分子有機ELディスプレー用発光材料事業について,2021年4月1日付で,専任組織から情報電子化学部門に移管する(ニュースリリース)。

大型有機ELディスプレーが普及期を迎えるにあたり,高分子有機EL発光材料の需要拡大が見込まれる中,情報電子化学部門が手掛けるディスプレー関連材料との一体的な運営によって,同発光材料の事業化を加速させる。

有機ELはコントラストが高く,色域再現性や高速応答性に優れる表示デバイスとして,スマートフォンに代表されるモバイル分野に加え,近年は大型ハイエンド分野ディスプレーでの適用が拡大している。

有機ELディスプレー製造に使用する発光材料は蒸着型と塗布型に大別されるが,塗布型高分子有機EL発光材料は,発光層の形成方法として赤,緑,青の3原色を塗り分ける印刷法が適用できるため,シンプルなデバイス構造が可能となり,低コストかつ高い生産性での大型パネルの大量生産を実現することができる。

同社は,塗布型高分子有機EL発光材料の実用化について2019年,世界で初めて印刷法による有機ELパネル量産ラインを稼働させたJOLEDに発光材料の供給を開始した。同社の材料を使用したJOLED製の20~30インチを中心とする中型パネルについては,国内外の主要セットメーカーによる認定・採用の動きが活発になっているという。

また,55インチ超サイズに関しては,主要大型パネルメーカーとの間で第8世代以上の大型基板を用いた印刷法パネル量産の共同開発が大きく進捗し,実証段階にあるとする。さらに今後は,有機ELの特長である超薄型やフレキシブル・ベンダブル・ローラブルなどの形状の自由度によって,魅力的なアプリケーションの開発が見込まれることから,同社では大型有機ELディスプレーの需要は大幅に伸びると予測しており,同社の材料が発光材料のデファクトスタンダードになることを期待している。

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