日機装と前田建設工業は,日機装の持つ深紫外線LED技術を用いた空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」の技術を活用した空調設備向け除菌消臭ユニットの共同開発に関する業務提携契約を締結した(ニュースリリース)。
空間除菌消臭装置「Aeropure」は,日機装が2014年のノーベル物理学賞受賞者とともに開発した深紫外線LEDの技術を活用した,菌やウイルス,においなどを低減し,空間の除菌消臭に特化した装置。
取り込んだ空気に深紫外線LEDを照射し排出する循環型の機構で,除菌効果のある物質を排出しない。また,深紫外線LEDは装置の中に組み込まれており,直接人体に照射されることはなく,定期的に交換が必要なフィルターは使用していないという。
現在,新型コロナウイルス感染者の拡大は,個人の生活や企業活動に大きな影響を与えており,世界規模での社会課題となっている。今回の業務提携は,前田建設工業の空調・換気技術と日機装の除菌消臭技術を融合させ,これまでの感染予防対策を一歩進めた,より安全・安心な建物を提供して社会に貢献していくことがねらい。
深紫外線LEDを活用した空調設備向け除菌消臭ユニット及びシステムの開発を行ない,集合住宅,オフィス,病院など様々な建物への実装を進めていくとしている。また日機装は,戸建て住宅/マンション向けについて,三菱地所ホームとも同様の業務提携を締結している。
なお,「Aeropure」は2020年1月28日の販売開始直後から,医療機関,介護施設,保育園,公共交通機関,飲食店等の感染対策として利用され,需要の高まりに対して生産が追い付かず,商品供給の納期が長期化しているという。
日機装では,2021年1月から生産体制をこれまでの約2.5倍となる年産25万台まで増強し,供給体制を強化していく計画。この増産対応は納期短縮を図るとともに,中国や欧米などの海外展開を見据えた生産体制を構築するものだとしている。