米オムニビジョン・テクノロジーズ(オムニビジョン)は,医療用カメラの小型化と高解像化の相反する問題を解決する共同開発ソリューションを発表した(ニュースリリース)。
これは神経外科,眼科,耳鼻科,心臓外科,整形外科,婦人科,泌尿器科などすべての分野に対して,内視鏡やカテーテルを使用する際に小さな人体内部位の映像の解像度を飛躍的に改善するものだという。
このソリューションは同社のカメラキューブチップ(世界最小のウエハーレベルカメラモジュールで,大きさは0.65mmx0.65mm,高さ1.158mm)の「OVM6948」と,同社のパートナーである米Almalenceの現在のスマートフォンカメラで事実上の標準となっている超高解像度アルゴリズムを組み合わせることにより,「OVM6948」の裏面照射解像度を1.5倍の300×300に増加させ,信号対雑音比(SNR)も8dB改善して42dBにするもの。
この性能を達成するために通常はピクセル数を増やす必要があり,イメージセンサーとカメラサイズが2倍になるところ,このソリューションにより同じサイズのままで性能を達成しているという。
このモジュールは,市販の最小のイメージセンサー(0.575mmx0.575mm)である「OV6948」を内蔵。独自のカメラキューブチップのレンズはウエハーレベルで製造され,イメージセンサーと接着して,高さが1.158mmのカメラモジュールへ仕上げている。これにより直径2.0mm未満の内視鏡またはカテーテルに実装できるため,人体内部のより深い部位へ到達し,調べることができるようになるとしている。
AlmalenceのSuperResolutionアルゴリズムは,画像をより鮮明かつ滑らかに見せるのではなく,高解像度センサーで撮影されたかのように詳細を再構築することで,センサーの効果的な解像度を独自に向上させる。さらに,このアルゴリズムの計算負荷は,主要なSoCやDSPで処理できるよう最適化されており,他の処理タスクのための十分なヘッドスペースを残しているという。