日亜化学工業は,サーカディアンリズムを考慮した調色を実現するための2つのLEDを開発した(ニュースリリース)。
サーカディアン調色とは,人間の概日リズムに沿った発光スペクトルと色調を調節できる技術で,同社独自技術のシアン発光蛍光体を用いたLEDと低色温度の白色LEDを組み合わせて使用することで実現されるという。
これまでのヒューマンセントリックライティング(人に優しい照明)は,主に色温度を変えることが着目されていたが,同社は,起床から日中までの活動時間帯にも注目し,第一弾として昨年,活発化を促し,作業効率を上げる「Vitasolis」をリリースした。そして,今回シアン発光蛍光体を用いたLEDによる新しいサーカディアン調色の発表となった。
一般的にシアンの青緑光(490nmの波長付近)は,一日のサーカディアンリズムを整えるのに重要な役割を担っており,これを用いることによって,目覚めから入眠まで快適な一日をサポートする。起床から日中の活動時間帯までは,自然光同等以上のシアン光が含まれた高色温度にすることで,快適な目覚め,注意力の向上,集中力の維持を促す。
一方,夕方以降は,シアン光を徐々に減らし低色温度に向かうことにより,リラックス効果や安心感,そしてスムーズな睡眠への移行を促すという。このようにシアン光の量と色温度を同時に調整することで,よりサーカディアンリズムに配慮した人に優しい照明となるとしている。
さらに低色温度側の白色LEDに同社が米GE Currentとライセンス契約を結んだTriGain技術を用いたLEDを使用することで,JIS Z 9112:2019高演色形クラス2を達成した高演色(Ra90以上),高効率な照明器具を作り出すことが可能となるという。