東大ら,「ガンマ線連星」に新たな可能性を提案


東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の研究グループは,中性子星が強磁場を持つマグネターと呼ばれる種類の星で,その磁場エネルギーが超効率的な高エネルギー粒子の加速を引き起こしガンマ線連星が輝いている可能性を提案した(ニュースリリース)。

研究グループは,ガンマ線を強く放射し連星周期により放射強度が増減する特殊な天体「ガンマ線連星」がどのような連星系であるか,また,どのようなメカニズムで超高エネルギー電子や強いガンマ線を生み出し輝くかの謎を明らかにするため,ガンマ線連星のLS5039に着目。X線天文衛星の「すざく」や「NuSTAR」のデータを解析した。

従来,ガンマ線連星は高温大質量星と質量の小さいコンパクト星の連星系と考えられてきたが,コンパクト星が中性子星かブラックホールなのかは分かっていなかった。

研究グループは今回,LS5039が大質量星と中性子星との連星系であることを明らかにした。また,従来定説とされてきた放射メカニズムを否定。中性子星が強磁場を持つマグネターと呼ばれる種類の星で,その磁場エネルギーが超効率的な高エネルギー粒子の加速を引き起こしガンマ線連星が輝いているという新たなメカニズムの可能性を提案した。

研究グループは今後,硬X線での追観測や他の波長データの解析を行ない,今回の発見をより確かなものにするとともに,連星中のマグネターがどのようにして高効率な粒子加速を引き起こすのか,詳細なメカニズムの解明も進めていくとしている。

キーワード:

関連記事

  • Orbital Lasers、宇宙用レーザー技術を活用した衛星LiDAR事業を紹介【光・レーザー関西2026】

    特別企画「航空・宇宙×光」ゾーンに出展しているOrbital Lasersは、宇宙用レーザー技術を活用したスペースデブリ(宇宙ごみ)除去と、衛星LiDARによる地球観測の取り組みを紹介している。 同社の技術開発は、スカパ…

    2026.07.16
  • 日本電気硝子、宇宙用超薄板カバーガラスのブランド「Starveil」を立ち上げ

    日本電気硝子(NEG)は、宇宙用超薄板カバーガラスの製品ブランド「Starveil(スターベイル)」を立ち上げたと発表した(ニュースリリース)。 Starveilは、人工衛星の太陽電池をはじめ、宇宙空間で使用される各種機…

    2026.05.25
  • 京都大学 特別教授 野田進教授

    フォトニック結晶レーザーが拓く「高輝度半導体レーザー」の次章

    半導体レーザーは小型、高効率という強みを持つ一方で、高出力化するとビームが乱れ「輝度」が伸びないという壁があった。フォトニック結晶レーザーはその常識を塗り替えつつある。その研究の先駆者である京都大学高等研究院・特別教授の…

    2026.04.02
  • 【主張】政策と技術を結ぶ日本の可能性

    世界最大の光学展示会 3月15日から米国ロサンゼルスでOFC(Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)が開幕する。通信バブル崩壊後、存在感を失っていた同…

    2026.03.25
  • Orbital Lasers、30.2億円の資金を調達 宇宙用レーザーの送受光技術を開発へ 

    Orbital Lasersは、シリーズAラウンドとして第三者割当増資及びJ-KISS型新株予約権の発行により30.2億円の資金調達を実施した(ニュースリリース)。これにより、シードラウンドからの累計エクイティ調達額は3…

    2026.03.23

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア