米オン・セミコンダクターは,シングルポイントの「新ダイレクトToF(direct Time of Flight,dToF)方式LiDARプラットフォーム」を発表した(ニュースリリース)。
LiDARアプリケーションは通常,近赤外(NIR)波長範囲の光パルスがオブジェクトとの間を移動するのに要する時間を測定するdToFの手法に基づいている。このアプリケーションでは,太陽光のような環境要因により困難な場合があったり,範囲を正確に決定するためにレシーバができるだけ多くの信号をキャプチャする必要があるなど,反応時間と感度の面で問題があったという。
同社が開発したシリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)センサーは,より速い応答時間と高い検知効率を提供することで,これらの欠点を克服するという。新たなプラットフォームは第2世代のSiPMセンサー「RB-Seriesシリーズ」を使用しており,赤色光とNIRの範囲で性能が向上しているとし,10cmから23mの距離にあるオブジェクトを検出可能だとしている。
また,このプラットフォームには,NIRレーザーダイオード,SiPMセンサー,光学系,ならびに検出された信号を経過時間に変換し,経過時間を距離に変換するために必要なディジタル処理が含まれるという。
同社は,ユーザーの市場投入時間を短縮するために,回路図,BOM,PCB設計ファイルなど,このリファレンスプラットフォームのすべての設計データを提供。PCベースのGUIも提供され,時間の経過に伴う測定値をグラフィカルに表示するとし,生成されるヒストグラムにより,距離検出,衝突検出,3Dマッピングなどのアプリケーションにおけるシステムの能力をさらに実証するとしている。